Skip to main content
Faire・Etsyで日本商材を売る方法|海外ECプラットフォーム活用ガイド

export · 10min read · 2026-04-07

Faire・Etsyで日本商材を売る方法|海外ECプラットフォーム活用ガイド

Faire(卸売)とEtsy(小売)で日本の伝統工芸品を海外に販売する方法。出品手順、成功のコツ、配送・決済まで解説。

この記事のポイント

  • Faireは卸売(BtoB)、Etsyは小売(BtoC)で売る相手が異なる
  • どちらも初期費用無料の成功報酬型でリスクを抑えて始められる
  • 商品写真と英語の商品説明が海外販売成功の鍵になる
  • 両方を使い分けるのが海外EC販売の王道パターン

「うちの商品、海外でも売れるかもしれない」

そう思いながらも、自社ECサイトを作る余裕はない。英語も得意ではない。何から始めればいいかわからない――。

そんな悩みを抱える老舗企業や工房にとって、Faire(フェア)とEtsy(エッツィ) という2つの海外ECプラットフォームは、初期費用ゼロで海外販売を始められる強力な選択肢になる。

この記事では、FaireとEtsyの違い、出品手順、成功するためのコツを、実務に即した形で解説する。


FaireとEtsyとは?どう違うの?

まず押さえておきたいのが、この2つのプラットフォームはそもそも売る相手が違うという点。

  • Faire = 卸売(BtoB) のプラットフォーム。買い手は海外の小売店やセレクトショップのオーナー
  • Etsy = 小売(BtoC) のプラットフォーム。買い手は一般消費者(個人のお客様)
i

かんたんに言えば: Faireは「お店に商品を卸す場所」、Etsyは「消費者に直接売る場所」。どちらか一方ではなく、両方を使い分けるのが海外販売の王道パターン。

御社に向いているのはどちら?

  • まとまった数を安定的に売りたい → Faireで卸売(1回の注文で数十〜数百個)
  • 少量生産・一点ものを高単価で売りたい → Etsyで直販
  • 両方やりたい → Faireでバイヤーを開拓しつつ、Etsyで個人客も獲得するのがベスト

どちらも初期費用は無料。売れたときに手数料が発生する成功報酬型のため、リスクを抑えて始められる。


Faireで卸売を始める方法

Faireの特徴

Faireは2017年に米国で設立されたオンライン卸売マーケットプレイス。2026年4月時点で、世界中の70万以上の小売店がFaireで商品を仕入れている(出典: Faire公式)。

Faireが日本の工芸品にとって魅力的な理由は3つある。

  • 初回60日間の返品保証: バイヤーが安心して新しいブランドを試せる。日本の「まだ知られていない」商品でも手に取ってもらいやすい
  • ネットゼロの支払い条件: バイヤーは商品到着後60日以内に支払えばよいため、小規模店舗でも仕入れのハードルが低い
  • Faire Directリンク: 自社の紹介リンク経由の注文は手数料0%。既存の取引先をFaire上に移行する際に有利

Faireの手数料体系

手数料は「誰が注文したか」で変わる。

  • Faireのマーケットプレイス経由の新規注文: 商品代金の25%(初回のみ)
  • リピート注文: 商品代金の15%
  • Faire Directリンク経由: 0%(手数料なし)
  • 決済手数料: 1.9%〜3.5% + $0.30(支払いサイクルによって変動)

(出典: Faire Help Center

出品に必要なもの

成功するリスティングのコツ

  • 「Made in Japan」を前面に出す: 海外バイヤーにとって日本製は品質の証。商品タイトルに「Japanese」「Handcrafted in Japan」を入れる
  • ストーリーを語る: 「創業〇〇年」「〇〇地方の伝統技法」など、ブランドの背景を英語で伝える。バイヤーはそのストーリーごと消費者に売る
  • 季節に合わせた商品提案: Faireでは春夏コレクション・秋冬コレクションの概念がある。展示会シーズン(1月・7月)に合わせて新商品を追加すると効果的
  • タグを適切に設定: 「ceramic」「handmade」「Japanese」「minimalist」「sustainable」など、検索されやすいキーワードを設定する

Etsyで直販する方法

Etsyの特徴

Etsyは世界最大級のハンドメイド・ヴィンテージ専門マーケットプレイス。2024年時点で約8,700万人のアクティブバイヤーが利用している(出典: Etsy公式IR)。

Etsyが日本の工芸品と相性が良い理由はこうだ。

  • ハンドメイド市場の本場: 「手作り」「職人の技」に対して正当な対価を払う文化が根付いている
  • 個人客への直販: 卸売と違い、小売価格(定価)で販売できるため利益率が高い
  • レビューが資産になる: 高評価レビューが蓄積されるほど、検索上位に表示されやすくなる

Etsyの手数料体系

  • 出品手数料: 1商品あたり**$0.20**(4か月間掲載)
  • 販売手数料: 売上金額(送料込み)の6.5%
  • 決済手数料: 売上金額の3%〜 + $0.25前後(国によって異なる)
  • 合計の目安: 1回の販売につき約10〜13%

(出典: Etsy Seller Fees

!

注意: 年間売上が$10,000を超えると、Etsy Offsite Ads(外部広告)の手数料**12%**が自動的に発生する。高単価商品を扱う場合は早い段階でこの閾値に達するため、事前に利益計算に含めておくこと。

出品に必要なもの

成功するリスティングのコツ

  • タグを13個すべて使い切る: Etsyでは1商品に13個のタグが設定できる。「Japanese pottery」「handmade mug」「wabi sabi」「gift for him」など、購入者が検索しそうな言葉を網羅する
  • ショップストーリーを充実させる: 工房の写真、制作工程、職人の紹介を英語で掲載する。「About」セクションが充実しているショップはリピート率が高い傾向にある
  • レビューを積極的に集める: 最初の10件のレビューが最も重要。丁寧な梱包・手書きのサンクスカード(英語)・納期遵守の3つがレビュー獲得の基本
  • 送料無料を検討する: 米国のEtsyバイヤーは「送料無料」のフィルターを使う人が多い。送料を商品価格に含めて「Free Shipping」にする戦略も有効

*

「英語の商品説明が書けない」「どちらのプラットフォームが合うかわからない」という方は、お気軽にご相談ください。商材の特性に合わせた販路戦略を一緒に考えます。無料相談はこちら


国際配送と決済のポイント

海外販売で最も不安を感じるのが「配送」と「お金の受け取り」ではないだろうか。実際には、いくつかの基本を押さえれば難しくない。

配送業者の選び方

  • EMS(国際スピード郵便): 郵便局から発送できる。追跡あり、保険あり。小口(2kg以下)のスタートに最適
  • FedEx / DHL / UPS: 大口・高額商品・急ぎの場合に。法人契約で割引あり
  • Faire利用の場合: 「Ship with Faire」機能で割引配送ラベルが発行される。税関書類も自動生成されるため、初心者にはこの方法が最も楽

送料設定の考え方

国際送料は国内配送とは桁が違う。事前にコストを正確に把握することが重要

  • 日本→米国のEMS料金目安: 500gで約2,000円、1kgで約3,100円、2kgで約4,500円(出典: 日本郵便 EMS料金表
  • 送料を「商品価格に含める」か「別途請求する」かは戦略次第
  • 壊れやすい商品(陶磁器等)は梱包材の重量も計算に入れる

関税と税金

  • 関税: 基本的に受け取り側(バイヤー)が負担する。ただし、事前に関税が発生することを商品説明に明記しておくとトラブルを防げる
  • 付加価値税(VAT): EU向けの場合、150ユーロ以下の商品にもVATが課税される。Etsyは2021年からEU向けVATを自動徴収する仕組みを導入済み
  • インボイス: 商品の品目、数量、価格、原産国を英語で記載した商業インボイスが必要。EMSの場合はラベルに情報を記入するだけで済む

決済と入金

  • Faire: Faire Paymentsで入金。支払いサイクルは翌日・30日後・60日後から選べる(サイクルが長いほど手数料が安い)
  • Etsy: Etsy Paymentsで入金。日本の銀行口座に振り込まれる。通貨はUSDで受け取り、為替レートはEtsyの設定に基づく

よくある失敗と対策

失敗1: 商品写真のクオリティが低い

海外ECでは写真が全て。日本の商品ページで見かける「白背景に商品だけ」の写真は、海外バイヤーには物足りない。

対策: ライフスタイルカット(食卓に並んだ器、手に持った酒杯など)を最低2枚は入れる。スマートフォンでも、自然光の入る窓際で撮影すれば十分なクオリティになる。

失敗2: 英語の商品説明が機械翻訳のまま

Google翻訳をそのまま貼り付けた商品説明は、海外のバイヤーにはすぐわかる。信頼度が下がり、購入をためらう原因に。

対策: DeepLで下訳を作り、競合の英語リスティングを参考に表現を調整する。Etsyで「Japanese ceramic」と検索し、上位ショップの書き方を研究するのが近道。完璧である必要はないが、「丁寧に書こうとしている」姿勢が伝わることが大切。

失敗3: 梱包が不十分で破損クレーム

陶磁器やガラス製品は、国際配送中に破損するリスクがある。破損すれば返品・返金対応が発生し、レビューにも悪影響が出る。

対策: 二重梱包が基本。商品をプチプチで個別に包み、箱の中で動かないように緩衝材を詰める。さらにその箱を、もう一回り大きな段ボールに入れる。梱包コストは「保険料」と考える。


よくある質問


まとめ

FaireとEtsyは、自社ECサイトを持たなくても海外販売を始められる数少ないプラットフォーム。

  • Faire: 海外の小売店に卸売。まとまった数量の安定受注を狙える
  • Etsy: 個人消費者に直販。小ロット・高単価で利益率を確保できる
  • 両方を併用: 卸売と直販の両チャネルで海外市場を開拓するのが最も効果的

始め方はシンプル。商品写真を撮り、英語の説明文を準備して、アカウントを作るだけ。初期費用はほぼゼロで、売れたときだけ手数料が発生する。

「うちの商品は海外でも通用するだろうか?」

その答えは、出品してみれば市場が教えてくれる。

*

海外EC出品をサポートします: 商品写真の撮り方、英語の商品説明作成、プラットフォームの選定まで、日本の伝統工芸品・ハンドメイド商材の海外販売を一貫して支援しています。まずはお気軽にご相談ください。無料相談はこちら

H

著者: 宮本博勝(Hiro)

Scratch Second代表取締役。南米食品サプライヤーでの法人営業を起点に、シリコンバレー発のフードテック企業のVP of Salesとして日本市場のゼロイチ立ち上げを指揮。大手コンビニ2,400店舗への商品導入、国際博覧会への原料提供。現在は世界最大級のIT企業にてアジア地域のビジネス開発に携わる。プライベートはヨット、ヨガ、サウナを日課とするウェルネス実践者。最新のヘルステックと日本の伝統的ウェルネス文化の融合をテーマに情報を発信。